外国人の方が賃貸物件を探すのは本当に大変!
私は賃貸業務をかれこれ5年以上やっているのですが、「その中で最も苦戦を強いられたお部屋探しは?」と聞かれると、【外国人の部屋探し!】と答えるほど、過去に何度も悔しい思いをしてきました。
・受け入れ可能なお部屋が少ない(特に地方)
・ようやくいい物件が見つかっても、審査がうまくいかない
・管理会社がうまくフォローできない
などなど、理由は様々です。
個人的には外国人が好きで、なんとか日本での生活を順調にスタートして、もっと日本や日本人を好きになって欲しい!と思っていても、最初の部屋探しで嫌な思いをしてしまうことも少なくありません。。
本日はそんな【外国人のお部屋探し】について
「なぜ大変なのか?」
「何が必要か?」
といった理由や現状、解決方法について解説いたします。
外国人の方はもちろん、日本語学校や大学、企業といった受け入れ機関の方にもぜひ一読いただきたい内容です!
大変と言われる理由
外国人の方が賃貸物件を探すときに苦労するポイントは大きくこの3つです。
- コミュニケーション能力不足
- 提出書類と入居希望者の現況
- 連帯保証人や緊急連絡先、身元保証人などの用意
コミュニケーション能力
まず前提として、コミュニケーション能力については、外国人の方の責任のみではないことをご理解ください。
管理会社やオーナーさんが日本語でのコミュニケーションが取れない場合、入居者様に何かあった場合にすぐに対応できない可能性が生じます。そのため、外国語対応できない管理会社やオーナーは外国人の入居に対応することができなくなってしまうのです。
また、入居側にも日本語でのコミュニケーション能力が求められます。
具体的には、【日常会話が可能かどうか】が判断の分かれ目となります。
前述したように、入居後にトラブルや緊急事態が発生した場合、入居者本人、近隣の住人・管理会社・オーナーなど、関係者間で問題解決に向けた協議などが必要となりますので、難しい言葉は分からなくても、ある程度日本語でのコミュニケーションを取れる方というのが条件となります。
提出書類・入居希望者の現況
海外の方が日本の物件に入居を希望する場合、下記の書類の提出を求められます。
・在留資格を証明するもの(在留カード)
また、入居希望者の現況によって、さらに細かく分類されます。
■就労あり ・所得証明 ・在籍証明 ...など ■就労なし(学生など) ・収入の有無の確認 ・家賃の支払い能力の有無 ...など
就労している、もしくは就労予定の方は比較的スムーズで、日本人とあまり大きな差が見られません。
しかし、学生様などの未就労の方については特に大変な審査となります。
理由としては、代理人での契約や身元保証人の有無が日本人の場合と異なるからです。
例えば学生の場合、
日本の学生は、親権者が代わりに契約者となって契約します。親の名義で契約して、実際に学生本人が入居することとなります。
このケースだと、審査対象は親権者(親)となります。
しかし、外国人の学生の場合、親権者もまた日本国外の方ですので、代理契約ができないのです。
つまり、本人の身元や万が一の滞納リスクに対して保証できる人物がいないこととなります。
そのため、どうやって家賃を支払うか、支払えない場合はどうするか、連絡が取れない場合は代わりにすぐ連絡が取れて対処できる人が近くにいるかなど、確認事項が増えてしまいます。
連帯保証人や緊急連絡先
前述の、外国人学生の例でも少し触れましたが、日本の入居審査では【家賃支払い能力】と【滞納時のリスク管理】の2点が重要視されております。
特に、【滞納時のリスク管理】という点は重要で、オーナーとしては万が一の場合に備えておかなければいけません。
そこで、滞納時の対策として、主に以下2つの方法が選択されています。 1.連帯保証人 2.保証会社
連帯保証人
入居者と同様に家賃支払い債務を負う人のことを指します。
つまり、家賃滞納があった場合に代わりに支払いをする責任のある人のことです。
「日本国内在住の親近者(親族など)」で「有職者等」で「返済能力を持つ人」ことが条件づけされるケースが多く、外国人の方には非常に高いハードルとなります。
保証会社
連帯保証人のような役割をしてくれる会社のことを指します。
外国人の賃貸契約ではこちらを採用することがほとんどです。
保証会社を利用する場合、【緊急連絡先】を用意する必要があります。
【緊急連絡先】とは、その名の通り緊急時に連絡が取れる人を指します。
連帯保証人との大きな違いは、支払い能力や責任と問われないこと。
定年退職後で現在は収入のない方や学校職員、職場の上司などでもなることができます。
緊急連絡先の選任には、「日本国内に住んでいる日本人」や、「日本の永住権を持っている方」といった指定を受けることがあります。
保証会社についてはこちらでも詳しく解説しております。
外国人がお部屋を見つけやすい環境づくり
ここまで、外国人の方のお部屋探しが難しい理由について触れてきました。
こうやって理由を並べられると不安になりますよね…
でも大丈夫です!!安心してください!!!
日本国内での外国人の受け入れ促進などを受け、外国人の方が入居しやすい環境が整ってきています。
家賃保証会社
家賃保証会社の中には外国人のサポートを強化している会社が増えております。
下記は外国人サポートの厚い保証会社の一例です。
言語のサポートはもちろん、日本にこれから来られる方で、現住所が国外の方の審査にも対応している会社もあります!
これだけサポートが整っていますから、まずは安心して、不動産会社に確認してみましょう!
学校や企業の支援
学校や企業といった、外国人の方の受け入れ先の協力がオーナーに与える安心感は絶大です。
例えば、学校や企業が契約者となって契約をするとなれば、オーナーとしては契約者の支払い能力や双方コミュニケーションが安定していることは想像しやすくなります。
契約者とまではいかなくても、保証人として家賃保証をしてくれたり、職員や会社の上司の方が緊急連絡先として対応してくれるだけでも十分な安心材料となります。
こういった体制を強化している会社や学校は多いため、受け入れ先への確認は必ずしておきましょう!
また、学校や企業側の担当者も、こういうサポートを可能な限り行うことで学生の大きな味方になることを知っていただければ幸いです。
オーナーの意識の変化
こちら、首都圏ではかなり進行しております。
オーナーが外国人入居者を当たり前に受け入れできるようになってきております。
しかし地方ではまだまだです。今後は地方でも受け入れに対して寛容なオーナーは増加していくと考えられます。
いかがでしたでしょうか?
「外国人のお部屋探しは難しい」のイメージは間違いではありませんが、
この数年にかなり改善してきております!
外国人の入居対応の経験豊富な不動産スタッフであれば案外サクッと解決できてしまうかもしれませんので、まずは気軽にご相談を!